情報科学を専門とする学生が教職を履修することの意義

はじめに

これは,駄文です.

誰かに読んでもらうというよりも僕の頭の中を書きだしたみたいな感じのものです.

対象者はNullPointerException(とくにいないかも)です.

これは,教職 Advent Calendar 2020

adventar.org

の22日目の記事です.

何で書こうと思ったのか

なぜ教職を取っているのかという理由を説明できても,それがどのような意義があるのかということを深く考えたことがなかったので,考えていこうと思ったことです.

バイトしている先の人に,「きっと何かしらの意義はあるのだろうけど,それを自分で説明できなきゃね」と言われて,確かになと思ったからです.

あと,卒業後すぐに教職に就こうとは思っていません.

結論

結論を先に書きます.最後にも同じこと書いてます.

情報科学を専門とする学生が教職を履修することのふさわしい積極的な(すぐれた)価値」の大きなことのひとつは,世の中における情報の位置付けについて,教育的な側面から知ることができることだと思います.

背景

専門

情報科学,所謂コンピュータサイエンスを勉強していると思っています.来年からは暗号に関する研究室です.数学たのちい.

僕の背景(というか過去のお話)

ただの自分語りだったので,別の記事にしました.3000文字くらいあります.読まなくて良いです.

oshun.hatenablog.com

本題

情報科学を専門とする学生が教職を履修することの意義についてです.

意義とググるとこう出てきます.

行為・表現・物事の、それが行われ、また、存在するにふさわしい積極的な(すぐれた)価値。

積極的な(すぐれた)価値って難しいなあ.

とりあえず僕が良かったなと思うことを列挙していきます.情報科学を専門とする学生じゃなくても良いものもあります.

  • 教職課程について知ることができる.

  • 教育心理学や教育に関する基礎的な事項について学ぶことができる.

  • 教え方について少し学ぶことができる.

  • 特別支援教育について少し学ぶことができる.

  • 教科の指導法について学ぶことができる.

  • 学習指導要領変更に伴う高等学校情報科の変更点などについて学ぶことができる.

  • 教育現場におけるICT機器の使用について知ることができる.

これらが挙げられます.

下の二つが情報科学を専門とする人には結構重要だったりすると思います.

以下で細かく書いていきます.

教職課程について知ることができる

中学校に入学して中学校を卒業すると,中学校とはどういうものかを生徒側から実体験に基づいて知見が得られます.一緒です.教職課程を取っている側からの知見が得られます.これはググって分かるものじゃないと思っています.

講義としては教職論I,教職論IIです.教職とは何たるかに関する講義です.これを受けてから,教職とるかどうか考えるのが一番良いと思います.そういう科目です.担当した先生がそう言ってました.

弊学類の先生はガイダンスで「教職やめとけ」ではなく,「これを受けてから考えろ.でもキツいぞ」と言って欲しかったです.

教職論では教師の一生というなんか壮大なお話がされます.

教師に必要な資質だとか,どうやって教師が成長していくのかとかキャリアとか.このキャリアっていうのが卒後すぐに教師になることで話が進みます.まあ当然でしょう.

ちょっと話がずれますが,所謂中途採用,社会人採用について一切ありませんでした.

僕は働くなら中途なのでこれについて調べました. 調べればすぐに分かりますが,そもそも中途で教師になる人ってあまり数が多くはありません.

僕は社会経験があり,中高数学と高校情報を持ってる美味しい人材になる予定なのでなんとかなるやろって片付けました.

閑話休題

自分のことはおいておいて,一般的な話として,学校教育の歴史的なことも触れられるので面白かったです.

これについてはここで終わり.

教育心理学や教育に関する基礎的な事項について学ぶことができる

深くは触れません.教育心理学,面白いです.心理学類の教員が代わる代わるに自分の専門について喋って帰ります.

カウンセリング的なお話も面白かったです.

評価っていうのが心理学と結びついているは結構興味深かったです.

教育に関する基礎的な事項といっても,教育基本法だったり色々です.

同じ年齢の子ども達を一つの教室に集めて教育することに対する絶対的な根拠はない.学校は砂上の楼閣って話は面白かったです.

教え方について少し学ぶことができる

教育の方法と実践とか,各教科の指導法ってやつですね.どうやって授業などをすると理解させやすいかみたいな話だったり,工夫等です.

特別支援教育等について少し学ぶことができる

特別支援教育もそうですが,障害については普通に生活している分には主体的に学ぼうとしない限り,ほとんど学ぶことが僕はないです.

色々と知ることができました.

「介護等体験」の社会福祉施設に行くことの意義が僕には理解できませんでした.

教科の指導法について学ぶことができる

それぞれの科目には,教科の指導法が存在します.

数学科指導法と情報科指導法I,情報科指導法IIです.

どういう授業をすると良いのかという話や,学習指導案というものを書いて実際に模擬授業をします.(実際に模擬とは)

知らない人向けですが,学習指導案にはどのようにして評価をするのかということも書きます.

どのように何を規準として評価するのかって大事ですよね.誰かを評価するという点において,これは教職以外でも使えます.

学習指導要領変更に伴う高等学校情報科の変更点などについて学ぶことができる

生徒になんでそうなるのと聞かれたときに原理から答えることを考えると,新しい学習指導要領の内容を情報を専門としなかった人がいきなり教えることはかなり難しいと思います.

あの内容が完璧にできるようになり,ちょっとマネジメントを勉強すれば基本情報技術者試験は受かります.

本当にそのレベルで高等学校情報科は変わりました.

これまで,高等学校情報科は,「社会と情報」か「情報の科学」から選択必修でした.新学習指導要領では,「情報I」が必修,発展的な内容として「情報II」ができました.

「情報の科学」は結構プログラミングとかするし,ネットワークやデータベースについても触れますが,「社会と情報」はやってExcelやWord,それと少しHTMLをいじる程度しかやりません.そのため,殆どの学校では「社会と情報」しかされてきていませんでした.

しかし,情報の科学的な理解というものがかねてから強調されていました.

情報の科学的な理解とは,

情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と,情報を適切に扱ったり,自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解

というように,平成9年10 月の「体系的な情報教育の実施に向けて」で定義されています.

学習指導要領解説 で示されている,比較の図を以下に示します.

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新旧高等学校情報科の単元

細かく話すときりがないので,情報I(改定後)の破線の下についてだけ話をします.

僕の勝手な考えですが,これらを教えられる教師が日本には少ないです.全部の高校で教えられる先生がいるかっていうと,絶対にいないです.

そういう内容です.

ソートのアルゴリズムだったりとか,リレーショナルデータベースだったりとか,TCP/IPなどネットワーク,セキュリティに関することだとか,シミュレーションとか.

これをしていた高校なんてまずないでしょう.

これが知れただけでも結構良かったと思います.情報を学んでいるからこそ,これって結構きつくない?って思うことが結構あります.教える側も大変ですが,教えられる側も中々に結構大変です.

これを知られたのは結構よかったと思います.

教育現場におけるICT機器の使用について知ることができる

情報系の視点として,教育というものを見ることができるということができます.

今や情報化!!,ICT!!,IoT!!などがあっちこっちで聞かれます.

ICTは Information and Communication Technology,情報通信技術,IoTは,Internet of Things モノのインターネットと呼ばれるものです.

勿論教育現場も同じです.教職の講義中にも情報機器の活用云々という話がよくされます.

しかし,殆どいつも,そういう使い方って意味があるのかなって思ってしまいます.ニュースなんかで見てもです.情報系の人じゃなくても,いや,それは違うだろと思えることが沢山あると思います.

ただ使えば良いってわけじゃないし,それなら使わない方がマシだと思います.

アクティブラーニングとか言いつつ,特に意味もなく,一人でやっても変わらないことをグループワークでさせようとするのと同じく愚行だと思います.

効果的な教育の情報化とはまだまだだと思います.

という訳で,文部科学省の「各教科等の指導におけるICTの効果的な活用に関する参考資料」というサイトの算数・数学科,高等学校情報科について見ていきます.

他の科目もあるので読んでみてください.なお,令和2年9月時点のものです.

www.mext.go.jp

算数・数学

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算数では具体的なものを,数学では抽象的なものをICTで分からせるということらしいです.

なぜICTである必要があるのでしょうか.

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このページはまあ確かにと思うようなこともあっても,別にICTじゃなくて良いじゃんとも思える内容です.

f:id:OShun:20201222200640p:plain これは小学校なのですが,ICTじゃなくてもできますよね.

表現方法を学ぶにあたって,自分でデータを用意して何かを表現しようとしたときに,適切に表現するグラフを選択することにICTはいらないです.

表現するときに,一瞬で表すことができるという点では良いでしょう.

この活用でICTによって何を分からせることができるのでしょうか.ICT によって分かることはないと思います.

f:id:OShun:20201222201855p:plain これはオモシロイなと思いました.ただひたすらにデバッグをするという授業ですね.デバッグとかしたくないですね.

これをして,何の理解が進むのかが分からないです.内角と外角について理解が進むのでしょうか.僕の想像力では分かりませんでした.

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中央の「一人1台のタブレットがあれば,」という水色の枠で囲まれたところ,タブレットなくてもいいと思いませんか.

作図で良いと思います.

「本当に信用していい?」とありますが,中学生なのだから証明をしないといけないですね.帰納的な説明ではなく,演繹的な説明ができないといけません.

一番下の水色の枠も,「ICTによって,思考を容易に繰り返すことができ」とありますが,別に紙と定規とコンパスでも容易だろと思うわけです.

むしろその方が作図する力も身に付くと思うので,僕ならそうします.

そして,主体的なとありますが,これは完全にICTである必要ないと思います.ICTでなくても主体的だと思います.

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左の図は人間が書こうとするとちょっと面倒ですし数IIIで微分を習わないと不正確になりすぎるかもしれませんので,ツールを使うと,形が掴めて理解が進むでしょう.

右は \displaystyle aを変えるので,中々に大変です.

Greapsなどを使うと,結構楽に書けるでしょう.

左の図は三角関数を最大最小の問題において二次関数に落とし込むことができることの良さを分かるには十分でしょう.他にも書くのが難しい関数を描画するというのは,視覚的に分かって良いでしょう.

右の問題についてです.

これは,どうなんでしょう.

解法としてぱっと思いつくのは,(i)平方完成して頂点を考える.(ii)二次方程式の判別式を用いて\displaystyle x軸との交点の個数を考える.でしょうか.

ここで,グラフの形を掴むということを考えると,(i)の方が良いでしょう.

{} \begin{eqnarray} y&=& -x^{2} + ax +2a -3 \\ &=& -\left(x -\frac{a}{2}\right)^{2}+ \frac{1}{4} a^{2} +2a-3
\end{eqnarray} とできます.

もうこれだけでどういうような動き方をするか分かりますよね.

この問題ごときにツールを使う必要はないでしょう.

いきなりツールを使って書いて何が身に付くのか分かりません.

解法の方向を見出すことができるとありますが,こういうやり方もありだとは思うけど,本質に迫っている訳ではない気がします.悪いとは言ってないです.

ただ,僕としては,このようにして問題を解くためにツールを使うのではなく,分野の導入として授業内でパラメータを弄るなどして,どのパラメータがどのような性質を持っているのかを確認し,それがどうしてそうなのかを考えていくという風に使えば十分だと思います.

繰り返しますが,問題を解くためにツールを使うはないと思います.

高校情報

パソコンとか使わないとできないことしか書かれてないので,そりゃそうだって内容でした.

学習指導要領の改訂による話もいくつか書かれていたので,読むと面白いかもです.

https://www.mext.go.jp/content/20200911-mxt_jogai01-000009772_14.pdf

結論

使えば良いってもんじゃない.何が目的で使ってるのか分からないものが多いと思いました.

ただ手を動かす回数を減らすならそう書けばよいのに,そうは書かれていないので,色々と考えましたけど,分かりませんでした.

まとめ

本当に駄文になってしまいました.

何が言いたいのか伝わらなかったと思います.

まとめると,「情報科学を専門とする学生が教職を履修することのふさわしい積極的な(すぐれた)価値」の大きなことのひとつは,世の中における情報の位置付けについて,教育的な側面から知ることができることだと思います.

なんかてきとうになりすぎた気がする.

途中から面倒になってしまったので,書き直すかもしれません.

お付き合いいただきありがとうございました.